2018-10-05から1日間の記事一覧
ブルーブラックに指を染め 真昼の封
降り 挿ささり 咲き 咲き 降り 挿さり 曼珠沙華 地上に突如 焔上げ
ボタン パジャマの上衣の2番目のボタンがないのだわたしは胸に弾丸を一発受けたように夜の数時間を面食らいながら過ごしている 秋だ秋なのではあるが次の日という場所であってさえ生きていかなくちゃならないのか じゃあ組んだ腕を外しておこうか わたしは夜…
旋律 橋は風景という移ろいに刷けられた形状と色彩でありもし「一台の楽器」という比喩を添えたならばとっておきの橋は視界の一隅を旋律という現象に置き換えることもできる
ビリっと風景を破く それでも漆黒は現われずならばと言葉のなかへ踏み込み景色を形容せずに分解するのだがどこでもないところに抽象は浮かんだままなにものにもならない快楽に満ち以前の以前をリピートする 現場の音のなかに存在を置くも風景ではないものの…
小屋 わたしは小屋を飼いたいかわいい小屋を そしてその小屋をコヤと名づけ何処へでも連れて行こう 海辺森はずれゴールデン街そいそいと雨降る北上川の土手へ 小屋には入らないコヤは鳴かないいつもそばにいるなかには空間という思念があり仕切られてはいる…