poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

2018-10-05から1日間の記事一覧

鋼銀河 Steel Galaxy

ブルーブラックに

ブルーブラックに指を染め 真昼の封

曼珠沙華

降り 挿ささり 咲き 咲き 降り 挿さり 曼珠沙華 地上に突如 焔上げ

作品「セツビ」 横須賀美術館B1-1F 

N響率 

ちいさな夜の演奏会

ボタン

ボタン パジャマの上衣の2番目のボタンがないのだわたしは胸に弾丸を一発受けたように夜の数時間を面食らいながら過ごしている 秋だ秋なのではあるが次の日という場所であってさえ生きていかなくちゃならないのか じゃあ組んだ腕を外しておこうか わたしは夜…

旋律

旋律 橋は風景という移ろいに刷けられた形状と色彩でありもし「一台の楽器」という比喩を添えたならばとっておきの橋は視界の一隅を旋律という現象に置き換えることもできる

ビリっと風景を破く

ビリっと風景を破く それでも漆黒は現われずならばと言葉のなかへ踏み込み景色を形容せずに分解するのだがどこでもないところに抽象は浮かんだままなにものにもならない快楽に満ち以前の以前をリピートする 現場の音のなかに存在を置くも風景ではないものの…

小屋

小屋 わたしは小屋を飼いたいかわいい小屋を そしてその小屋をコヤと名づけ何処へでも連れて行こう 海辺森はずれゴールデン街そいそいと雨降る北上川の土手へ 小屋には入らないコヤは鳴かないいつもそばにいるなかには空間という思念があり仕切られてはいる…