poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

小屋

   小屋


わたしは小屋を飼いたい
かわいい小屋を そして
その小屋をコヤと名づけ
何処へでも連れて行こう

海辺
森はずれ
ゴールデン街
そいそいと雨降る
北上川の土手へ

小屋には入らない
コヤは鳴かない
いつもそばにいる
なかには空間という思念があり
仕切られてはいるが
絶えず何かを想っている
と思わせている

なんてかわいいやつなんだ

わたしは口笛を吹いている
雲から月があらわれて
わたしたちを地上に
ゆっくりと降ろしてくれる

わたしは
いつものように
矩形の影のそばに
立つ