春冷えの国府多賀城夕の雨
リパッティ音色遠のく穀雨なり
メモ用紙生きる用事に目を落とし
ウグイスの水晶響く朝盛り
沈黙が久遠に置かれ秋保石
雨音がわが身一畳沁みわたり
立ち去れば身を開きつつ花蕾
みつめれば頑なとなり花つぼみ
花つぼみ指腹離れて風薫る
ノイズ消え澄みしノイズに春来る
ホームレス厚着引き摺り春地下道
カンダタが懐刀抜き奈落閃く
風去って宙は群青春北斗
連 詩 2024年2月9日~3月13日 朔子(さくし) 布川 鴇 非彦(ひひこ) 大島憲治 「微笑」の巻 朔子 降る雪 積む雪 昔見た雪 今日の雪白いカーテンに一様に溶け込んで周辺を明るくも冷たくもする その透明さにわけもなく微笑む 哀しいのに 非彦 漆喰が微笑す…
雪撃たれ屋根より落ちる死体なり
日だまりで文庫落とす冬午睡