poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

2018-05-28から1日間の記事一覧

曲がり方

曲がり方 7億の詩人が曲がる競っているのはその曲がり方にあるしかしどこまでも曲がっていくことはむつかしいあるところでは直線を否めず牧場で大の字になったり地下鉄で爆殺されなければならない 外はおそろしい世界で洞窟や地上、樹皮に形象を描けばヒトは…

スーパーボール

スーパーボール それは落とさなくてはならないものなのだがそれを手のなかで握ればなんでも出来る気がした空だって飛べないことはないのだがだれもまだ飛んではいなかった 木造校舎の2階から真昼のコンクリートめがけてらっか! 鼻から牛乳椅子引きスカート…

影への

影への エウロパは受けきれない木星が落とす影を 影と一体となって樹は立ち 影のツバメは黒から空中を去る 2018/05/17

電線

電線 空に傷をつけているのは電線ですが電線は黒いということであなたを癒しているかもしれません 20世紀以降電線は無意識のなかの風景でありゆえにコードはわたしたちを根本から縛ります 冷蔵庫では死が延長させられドライヤーの風は北極から氷山を引き離す…

カラス

カラス 喉を微妙にふるわせカラスは何かをつぶやいていた。あれは構文だったな。 通り過ぎる時、カラスが逃げないそんなふうになれればいいかな。 カアカア大きな声で鳴いていてもああカラスが鳴いているなあ、とふと思えればいいかな。 2018/05/16