70年11月、作家の三島由紀夫が自決した。佐々木(幹郎)はその時決めた。三島文学への共感はあったが、殉死をめざす思想とは決別し、蕪村の句にある牡丹のように生きていこうと。〈地車のとどろとひびく牡丹かな〉。地面を揺るがすような車の響きの中で揺れる牡丹。社会を動かす大きな出来事のそばで衝撃を受け止めつつ、ひっそりと立つ。そして詩を書く。
〈危機の時代の詩をたどって〉朝日新聞夕刊2019/01/07
70年11月、作家の三島由紀夫が自決した。佐々木(幹郎)はその時決めた。三島文学への共感はあったが、殉死をめざす思想とは決別し、蕪村の句にある牡丹のように生きていこうと。〈地車のとどろとひびく牡丹かな〉。地面を揺るがすような車の響きの中で揺れる牡丹。社会を動かす大きな出来事のそばで衝撃を受け止めつつ、ひっそりと立つ。そして詩を書く。
〈危機の時代の詩をたどって〉朝日新聞夕刊2019/01/07