poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

粒と間

「この世界はごく微細な粒からなっていて、連続的ではない。神はこの世界を連続的な線では描かず、スーラのように軽いタッチで点描したのである」(カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』)

そして、ロヴェッリによると時間も粒状らしい。つまり世界はもともとデジタライズされているということだ。ではでは粒と粒との「間」、あるいは「境界」はどうなっている? 粒はイメージ出来る。だが「間」「境界」は? 非存在ということでは納得出来ない。この納得出来ない「世界」というものが楽しいのではある。世界がバラバラだということは面白い。粘着よりも分散、固定よりも流動というイメージが「どこか」を楽にする。ちょっと待った、どこかとはどこなのだろう。頭の中にある、とは限定出来ないような気もする。