poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

また春の日が来た

また春の日が来た。

大地は美しい

詩を暗誦したばっかりの子供のやう。

無数の、ああ、数知れぬ詩を、……

こんなに永い間、苦しい暗誦をしたおかげで、

今、御褒美を貰ひます。

きびしかった冬の先生。

あのお年寄りの先生の

お鬚の白さが大好きでした。


    リルケ「オルフォイスを讃えるソネット」

    リルケ選集2  (新潮社) 1954年刊

 

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