poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

2018-11-09から1日間の記事一覧

「あれら」

「あれら」 冬が始まりそうな夕べ 空の下へ飛び出す セーターがひつじ雲をチクチク刺す 郊外の森へ向かって 道はうっとりと蛇行していく 谷間の田んぼで うなだれた案山子が 命なき絶叫を発している 人に似させられながら 人はいちばん怖ろしいのだと 闇をま…