poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

アナ

 

  アナ

 

わたしはさがす

わたしの愛しいアナを

でもわたしのアナに

わたしはとても入れますまい

なぜなら

わたしそのものが

アナだから

 

道を歩いて行くアナ

イギリス人みたいに

不快な口笛を吹いて

街角を曲がりながら

世界征服なんかを想ってみる

(別)世界がまだあったならの話だけど

 

それでね

あなたのアナをさがしに

出かけたことは一度もないし

やつのキッタナイ・アナを

見た試しもありません

 

何ですって?

ええ金輪際

他者となる予定はありません

「わたしとはひとつのアナである」

のです