poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

金曜

金曜

金曜の夕方の交差点の

解放の焦燥の殺気立った

足と髪のシルエットは

電気の破裂に彩られ

誰も彼も裏側からの出演で

あらわれては消えてゆくのだが

耳と耳の穴と穴に

人さし指を入れてみれば

舞台はやや無音の大合奏となり

夕方と交差点付近から

夜は一挙に始まり

金曜は小走りとなった

不思議なことだが

誰も彼もが

何処かへ向かっているのだ