連 詩 2024年2月9日~3月13日 朔子(さくし) 布川 鴇 非彦(ひひこ) 大島憲治 「微笑」の巻 朔子 降る雪 積む雪 昔見た雪 今日の雪白いカーテンに一様に溶け込んで周辺を明るくも冷たくもする その透明さにわけもなく微笑む 哀しいのに 非彦 漆喰が微笑す…
雪撃たれ屋根より落ちる死体なり
日だまりで文庫落とす冬午睡
丹前冷えスコッチ呷る畳部屋
愚者ゆえに閃めけば道をゆく
傲岸なる己が前に白き紙置く
世にはなき甘き水欲す丑の刻
尽きるまで思い出せばからっぽ
フィッツジェラルドごろりと川渡温泉
冬黒く稜線果てに銀の嶺
からっぽとなるまで見つめ冬の月
だれの心にも在らず一人旅
白匂う瞳の奥の雪の原
白は鳴る森の果ての雪景色
くちびるにくちびる重ね雪の原
ふりやまぬ雪鼻に乗せ熱き尿