poetoh

大島憲治の詩とエッセイ、フォト、自由律俳句を紹介。既刊詩集『イグナチオ教会通り風に吹かれる花のワルツ』(書肆山田) 『東京霊感紀行』(竜鱗堂) 『センチメンタルパニック』(私家版) 『荒野の夢』(蝶夢舎)『シャドーボクシング』(蝶夢舎)

限られた無限に ー中園孔二

限られた無限に     

                                    ー中園孔二


在って欲しい光景が

わたしたちの想う世界にはむろんなく

彼の大脳の外に延々とつづく

その光景


光景を包む外縁は

無限に広がりつつある


ヒトとは爆発である

星のかけらである


しかし色と形によって

わたしたちが得られるものは

限られた密度と深遠

そしてキャンバスという平面空間


外縁の内部をまざまざと

眺めるわたしたちは

限られた無限を知る

さらに外縁のむこうは

彼も知らない光景の

豊富が在って

そここそが

現出への行為に彼を

駆り立てる

 

 

「中園孔二展 外縁ー見てみたかった景色」

                    横須賀美術館    23.Sep.2018